経団連「旧姓の通称使用によるトラブルの事例」について 

昨年6月に経団連HPに掲載された「旧姓の通称使用によるトラブルの事例」について、私が関係者への取材及び聞き取り調査を通して新たに確認できた内容をお伝えします。
近藤倫子 2025.03.06
誰でも
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/044_honbun.html#s7

https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/044_honbun.html#s7

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①契約・手続きを行う際の弊害例

  • 多くの金融機関では、ビジネスネームで口座をつくることや、クレジットカードを作ることができない。→令和4年3月の時点で、銀行の約7割、信金の約6割が旧姓名義による口座開設に対応済み。クレジットカード会社への聞き取り調査では、大手の1社が旧姓の通称使用可能とのことです。

  • クレジットカードの名義が戸籍姓の場合、ホテルの予約等もカードの名義である戸籍姓にあわせざるを得ない。→旧姓の通称使用が可能となっているクレジット会社の利用を推奨します。

  • 通称では不動産登記ができない。→旧姓の併記は可能となっていますが、旧姓のみの登記は認められていません。

  • 契約書のサインもビジネスネームでは認められないことがある。→民法上は契約の成立には法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しないとされている(民法522条第2項)ので、ビジネスネーム(旧姓)で契約者にサインをしても民法上は、その契約の効力には何も問題がない、と会社できます。これは民法の専門家に確認ずみです。

  • 役員就任時の法人登記の際、旧姓の併記は可能ではあるが、旧姓を証明するために戸籍抄本が必要である。→商業法人登記においては会社の役員などについて平成27年2月から、会社の代表からの申し出により旧姓を併記することが可能となっています。また、令和4年9月からは、登記の申請時以外でも旧姓の併記の申し出も可能となっています。

②キャリアを積むうえでの弊害例

  • 研究者は、論文や特許取得時に戸籍上の氏名が必須であり、キャリアの分断や不利益が生じる。→姓が変わった研究者は、論文の執筆者名において、旧姓の併記や注釈等で対応することが可能です(私自身もそのようになっています)。また、、令和3年10月からは、特許庁に提出するすべての書類を対象に、発明者・出願人・審判当事者等の氏名欄において、住民基本台帳法施行令第30条の13に規定する旧姓の併記を認めています。

  • 国際機関で働く働く場合、公的な使命での登録が求められるため、姓が変わると別人格として見做され、キャリアの分断が生じる。→経団連によるトラブル事例の「公的な氏名」とは、パスポートに記載されている氏名を指していて、パスポートの別姓と別名の記載が可能となっているので、現段階では問題はないとの解釈が妥当です。

③海外に渡航する際の弊害例

  • 社内ではビジネスネーム(通称)が浸透しているため、現地スタッフが通称でホテルを予約した。その結果、チェックイン時にパスポートの姓名と異なるという理由から、宿泊を断られた。→昭和34年からパスポートに括弧書きで旧姓の併記対応をしています。ただしパスポートに記載されている旧姓が「結婚前の姓」であることが外国の入管当局に理解されやすいように、令和3年4月から顔写真のページに「旧姓/Former surnamek」の説明を加え、各国政府に仕様変更について通達、また旧姓の併記記載のパスポートを申請した日本国民に向けた「別名併記リーフレット」を英文訳つきで配布しています。

  • 海外ではセキュリティが強化されており、公的施設のみならず民間施設等においても、入館時に公的IDの提示を求められる。その際、ビジネスネームが記載されている名簿と、公的ID上の名前が異なるとゲートを通れない。そのため、いつも結婚前の古いパスポートを持ち歩き、説明・証明するのに時間を要する。→パスポートは日本国民の外国への旅行のために、日本国が発行する公的な文書であり、重要な身分証明書です。申請者が日本国民であることを確認し、戸籍に基づいてパスポートの発行をしているので、事例のようなトラブルは起きないと想定されています。

  • 空港では、パスポートのICチップのデータを読み込むが、そこには旧姓は併記されない。よって、出入国時にトラブルになる。→パスポートの旧姓併記をめぐってのトラブルの報告は、受けていないと私は外務省から聞いています。在外公館からの報告はない、と新しい情報を追加します。

④プライバシーの侵害

  • 民間企業において、結婚・離婚に伴う改姓手続きにおいて、一定範囲で届け出が必要となり、その情報の取り扱いにおける保護範囲も不明瞭で、プライバシーの侵害につながりかねない。→これは民間で取り組むべき課題、国の制度を変える理由にはなりません。

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本日のスイーツはこちら😊

https://yasai-no-ohsama.com/ginza/

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新鮮なお野菜がとっても美味しい「やさいの王様」のパンプキンプリン。

南瓜の炊いたんにプリンを合体させたようなインパクトある見た目ですが、かぼちゃのほっこりとした甘さと、プリンの優しい甘さがピッタリ。

プリンは木綿のお豆腐のような固さで、食べ応え抜群😊

「りんこスイーツ部」入部はこちらから🍎↓

スイーツ写真のストックがなくなりました💦

忙しくて、あちこち行っているのに、スイーツ時間がありません💦

三寒四温、皆さまもお身体ご自愛くださいませ…。

ではまた、次回😊

🔳近藤倫子(こんどうりんこ)1975年生、日本女子大学卒。児童家庭支援士、著述家。月刊WiLL、展転社等での執筆と連載。夕刊フジへの寄稿。デイリーWiLLをはじめとするネット番組多数出演。子供の心の発達に関する講演、子育てや日本を伝える講演会も多数登壇。『「価値観の侵略」から日本の子どもを守る』(ハート出版、2025)。YouTube『近藤倫子チャンネル』

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